スズメバチと聞くと刺されたら死ぬこともあるという危険性の高い昆虫という認識が強いのではないでしょうか。

確かにスズメバチは強い毒性を持っている昆虫なのですが、その生態について理解していない点も多いのではないでしょうか。スズメバチについてよく知ることでスズメバチに対応するのにも役立つ点が多々あります。

世の中にはいろいろな種類の昆虫が存在していますが、その中でも社会性昆虫と呼ばれる種類に分類される昆虫がいます。

実はスズメバチもその社会性ハチに属するのですが、社会性ハチや社会性昆虫とは一体どのようなものなのか詳しくみていきましょう。

私たち人間社会にもさまざまな階層があります。会社でいえば社長や役員、部長などの役職ポストがありその下で一般社員が働いています。

昆虫社会でも集団で活動しその中で女王蜂やありのようなボス的な存在がいる昆虫のことを社会性昆虫というわけです。

スズメバチは女王蜂がいてそれが巣の元をつくりどんどん幼虫を生んでその数を増やしていきます。

成虫になったスズメバチは働きバチとして幼虫の世話をする、ハチの巣を作る、整える、餌をとってくるなどして働きます。また外敵から自分たちの住んでいるコミュニティを守るために必死で戦うのです。

そして女王蜂はひたすら幼虫を産みつづけますが働きバチは自分たちが幼虫を産むことはないのです。ハチの巣が完成してからしばらく経つとオスバチとメスバチはそれぞれ巣を出て交尾を行ってその後死滅しますが、女王蜂は越冬して次のシーズンにまた幼虫を産むのです。

ハチと一口にいってもミツバチやアシナガバチといった他にもいくつかの種類があります。
スズメバチとそれらのハチにはどのような違いや特性があるのでしょうか。

ハチにもいくつか種類がありますがスズメバチは他の種類のハチと比べても体が大きいことで知られています。

またスズメバチと一口にいってもスズメバチの種類もいくつもあり、大型のスズメバチが7種類、小型が5種類、その他4種類、計16種類のスズメバチが確認されています。

それぞれのスズメバチによって体長や性質も異なりますが、基本的にスズメバチは攻撃性が非常に高いのが特徴です。スズメバチにこちらから攻撃を仕掛けなければスズメバチのほうから襲ってくる事ことはないと言われているのですが、スズメバチの種類によっては非常に攻撃性が高くハチ攻撃をしかけなくても襲われることがあります。

ハチと呼ばれる昆虫に分類される種類はほとんどが針を持っていて、敵をその針で攻撃します。その中でもスズメバチの持つ針は強い毒性を持っていますので人間が刺されると適切な処置が必要なのです。

スズメバチの毒液は毒のカクテルとも呼ばれているほどであり、自分の体よりもはるかに大きな人間にでさえもアナフィラキシーショックなどの症状を引き起こす危険性を持ち合わせています。

さらにスズメバチは毒針で敵を刺すだけでなく毒をまき散らして攻撃を行います。まき散らす毒も強力であり目に入ると失明する危険性もあるほどです。

スズメバチはその種類によって巣を作る場所も異なりますが、家の軒下や山林などの巣を作るケースが見られます。人間が刺されると死に至る危険性も高いことから、スズメバチの巣を見つけたら早急に駆除するのが望ましいのです。

スズメバチの被害に遭わないためにもできることならそんな種類のハチは数が少ないほうがいいと考えますが、実際にその数はどのように変化しているのでしょうか。

都市部は森や林といった自然が少なくなっていることから昆虫も減少傾向にあると考えられていますがスズメバチに関しては、増加傾向にあるのです。

1980年代頃から都市部でのスズメバチの発生数が増えていることが報告されているのです。

スズメバチの中でもキイロスズメバチ、コガタスズメバチの二種類が増えていることがわかっているのですが、この二種類はいろいろな場所に巣を作ることができるため自然の少ない都市部でも繁殖できるのです。

しかしながらスズメバチ全体の数で見てみるとそれほど大きく数が増えているわけではなく、むしろ減少傾向にあります。

スズメバチの数自体は増えていないのにスズメバチによる被害は増加傾向にあります。その原因として考えられるのがスズメバチと人間が遭遇する機会が増えたからです。

先ほど述べたように、住宅地にも巣を作ることができるスズメバチが増えたこと、ハイキングなどで山へ出かける方が増えたことが原因として考えられます。

その他のスズメバチの生態はこちら → スズメバチの狩り