生態

スズメバチの生態と環境


蜜を吸うハチ

スズメバチにもいくつか種類があり、どのスズメバチも高い毒性と攻撃咳を持っていますので人間は十分な注意が必要です。
スズメバチの中でもツマアカスズメバチと呼ばれる種類がありますが、それがもたらす被害が深刻となっています。

九州地方におけるツマアカスズメバチの問題

ツマアカスズメバチはもともと日本で生息していたスズメバチではなく外来種のスズメバチになります。2012年頃より日本の対馬地方で確認されるようになってきましたが、深刻な被害をもたらすことで問題視されています。

急激なスピードで繁殖する

ツマアカスズメバチとはインドネシアのジャワ島にて存在が確認されている種類のスズメバチであり、全体的に黒くお腹の部分だけが赤身を帯びた色から和名であるツマアカスズメバチという名称がつけられました。
スズメバチは女王蜂が幼虫を産み続けることでその数を増やしていくのですが、その繁殖スピードが早く急激日本でもその数を増やしているのです。

しかも巣を作る場所や住む場所を限定しないため、都市部でもその数を増やしつつあるのです。

ミツバチがターゲットに

ツマアカスズメバチによる被害が甚大だと言われているのは、ミツバチを餌とするからです。他のスズメバチの種類でもミツバチを餌にすることがあるのですが、ツマアカスズメバチはミツバチを集団で襲うためその被害も大きいのです。

実際に長崎県の対馬では日本ミツバチの養蜂が盛んに行われていますが、ひとつの養蜂業者だけでツマアカスズメバチによる被害が10箱以上にものぼったと報告されているのです。
本来日本ミツバチは集団で巣に侵入してきたスズメバチを蒸し殺すことができるのですが、ツマアカスズメバチは巣に戻ってくるミツバチを襲います。

対馬地方には体長が小さいタイプのスズメバチしか存在していなかったため、大型のツマアカスズメバチに襲われると日本ミツバチはどうにもできないのです。

農業への被害が拡大

ミツバチが減少することで大きな打撃を受けるのが農業です。

それは植物や野菜の受粉の際にミツバチがその受粉を助けてくれるからです。

ミツバチの受粉は人間が受粉作業を行うよりもはるかに効率が高いため、ミツバチの力を借りられなくなってしまうと農業被害が拡大する可能性が高くなります。
人間の手による受粉は時間がかかるだけでなく受粉に肩よりが生じやすくなってしまうため、植物や野菜に奇形が出やすくなる危険性を高めます。

都市型スズメバチとは何なのか

スズメバチの種類によっては巣を作る場所が異なります。都会は山や森といった自然が少なく昆虫が生息しづらい環境にあるのですが中には都会でも繁殖が可能なタイプのスズメバチがいて、それを都市型スズメバチと呼んでいます。

都会で増えているスズメバチの種類

日本全体でスズメバチの数を見てみるとそれほど大きく減少しているわけではありませんが、都会のスズメバチの数は増加傾向にあります。
都会で増えているスズメバチの種類はキイロスズメバチやコダカスズメバチです。なぜ都会でスズメバチが増えているのかというと、これらの種類はどこでも巣を作ることができるからです。

空き地の土管、壁の隙間、軒下、床下といった自然の中でなくても巣を作ることができるようになったため、これらの種類のハチが都会で増殖を始めたのです。

ハチ被害が拡大する危険性

都市型スズメバチと呼ばれる都会で生息するスズメバチが増えてしまうことで、ハチ被害が増大するリスクも高くなります。
本来スズメバチは攻撃性が高いのですが、こちらから攻撃をしない限りは襲ってくることはめったにありません。

しかしこちらが攻撃したつもりはなくてもスズメバチからは攻撃を受けたとみなされてしまって襲われてしまうこともあるのです。
都会にスズメバチが増えると人間と接触する機会も増えてしまうため、それだけハチに襲われる危険性も高くなってしまうのです。

ハチ被害を防ぐためにもスズメバチの巣を見つけたら早急に駆除をするのが望ましいのです。

その他のスズメバチの生態はこちら → スズメバチは、なぜ人を刺すのか?