豆知識

スズメバチの豆知識


スズメバチと聞くと危険な害虫というイメージが強く、その生態について知ろうと言う気持ちは湧いてこないかもしれません。

スズメバチや蜂にも私たちが知らないさまざまな豆知識があります。それを知ることでスズメバチや蜂全般に関する理解を深めることにつながります。

スズメバチの身体の色は、なぜ黄色と黒なのか

スズメバチに限らずその他の種類のハチは黄色や黒色の身体ですが、それには何か特別な理由があるのでしょうか。

敵から身を守る

体の小さい動物や昆虫は、餌として食われる危険性が常に付きまとっています。これらの外敵から身を守るためにさまざまな方法で自分の身を守ります。

一つは周囲の風景に溶け込んで自分の存在を目立たなくする方法です。たとえばアゲハ蝶は幼虫の時に鳥の糞と同じような色をしていて鳥からの攻撃を免れるのです。

そしてもう一つがハチなどの危険な虫と色を似せることで敵を欺くのです。

ハチも自分の身を守る

スズメバチは集団で自分よりも体の大きい獲物を捕獲して食べますが、スズメバチが逆に敵に食われてしまうことも十分あります。

黄色や黒は一般的に警告色と言われる色であり、危険な色であることを周りにアピールするのです。

スズメバチ以外の危険性の高い昆虫も黄色や黒の警告色でできている物が多くあり、その色を強調することで自分が危険な存在であるということを周りにアピールし、自分の身を守ります。

こちらの記事もぜひ参考にしてください。→スズメバチに刺されない対策

蜂のフェロモンについて

人間でも異性からモテる人はフェロモンが出ていると表現することがありますが、ハチからもフェロモンが出ています。

情報伝達のための手段

ハチやありといった集団で生活する昆虫は、それぞれの身体から放出されるフェロモンによって情報を伝達するのに使われるなど、さまざまな場面で放出されます。

たとえば性フェロモン。女王蜂が分泌するフェロモンでありオスバチを交尾に誘うのに放出されますし、階級フェロモンもまた女王蜂が分泌して働きバチの産卵をコントロールするのです。

警報フェロモンとは

集合フェロモンは働きバチが分泌し、オスバチを巣の入り口に誘導するのに放出、警報フェロモンは自分たちの巣が危険な状態にあることを周囲に知らせるために放出されます。

ハチの巣が攻撃を受けるといつの間にかその周辺にハチが集団で集まっていますが、それはハチから警報フェロモンが発せられたからです。

ハチは敵に攻撃を仕掛けると毒針で刺すだけでなく毒液をまき散らしますが、その毒液の中にフェロモンも含まれていて周囲の仲間のハチを引き寄せるのです。

ハチに関することわざ、言い伝えなど

世の中には虫や動物に関するさまざまなことわざや言い伝えがあり、ハチに関するものもあります。

ハチに関することわざ

ハチが関連することわざもいくつも存在します。虻蜂取らずということわざは虻と蜂を両方捕まえようとしても捕まえられないこと、つまり欲張りすぎると損をするということを意味します。

泣きっ面に蜂ということわざもありますが、それは泣き面をハチが刺す、つまり不幸が重なるということを意味します。

他にもハチの巣の穴が多くあることから、多くあることをハチの巣のようと言ったり、大騒ぎしている様子をハチの巣をつついたようと表現したりします。

ハチに関する言い伝え

ハチには人間に危険な害を加えるスズメバチだけではなく、人間も食べているミツバチを作るミツバチなどのいろいろな種類がいます。

特にミツバチは養蜂業が盛んなヨーロッパでは非常に大切にされていて、幸運の象徴とされてきました。欧米の農村部では飼い主やその家族が亡くなると、ミツバチに知らせるという習慣があるくらいです。

日本でもハチは幸運の象徴ととらえることがあり、家の軒下などにハチが巣を作ると縁起がいいと言われており、泥棒や厄除けとして家の入口に吊るされていた時期もありました。