スズメバチの巣の考察


スズメバチは危険という認識を持っている方がほとんどです。そしてその巣を見つけたら近づいてはいけないと教えられています。
スズメバチの巣を見てみると不思議な模様なタイプもあり、どのようにそれを作るのか気になる方もいるでしょう。また巣の内部で一体何が行われているのかも気になる点です。スズメバチの巣の生態について詳しく見ていきましょう。

縞模様・マーブル模様はこうして作られる

できているスズメバチの巣を実際に見たことがあるでしょうか?巣をよく観察してみると縦模様やマーブル模様といったパターンが決まっているタイプの巣がみつかります。
どうやったらこんな巣が作れるのか不思議に思ったことはないでしょうか?スズメバチはどのようにしてこのような模様を作り上げるのでしょうか。

スズメバチによって異なる巣の特徴

スズメバチにもいくつかの種類がありますがその種類によって出来上がる巣の形や模様が異なります。
マーブル模様の巣が特徴的なのがコガタスズメバチです。スズメバチの中でも高い凶暴性を持っているキイロスズメバチもマーブル模様の巣が特徴です。

スズメバチの巣の作り方

スズメバチの巣は何段にも重ねられている巣盤とボール状の外皮によって作られています。これらの外皮ですが働きバチが樹皮をかじりとってきてそれを自らの唾液で混ぜて団子状に固めた物を重ね合わせていくのです。
しかも巣に切った外皮を持ち帰り細かく噛み砕いて薄く伸ばして巣に盛り付けていくというとても地道な作業を繰り返して巣が作られていきます。

模様が出来上がる経緯ですが特に意識してあのような模様ができているわけではないようです。
それぞれの働きバチは異なる材質の樹木を持ち帰って作業を行うため、材質の色の違いで模様のように見えるのです。

巣の内部では、何が行われているのか?

スズメバチの巣を見ると巣穴から大量のスズメバチが出入りをしていますが透明ではありませんので中を見ることはできません。

無理に巣をのぞこうとするとスズメバチに刺される危険性が高くなりますので手出しもできません。あのハチの巣の中では一体何が行われているのでしょうか。

意外と快適!ハチの巣

ハチの巣は働きバチが噛み切ってきた木材などから作られているのですが、通気性も気密性も悪くはなく快適に過ごせるように作られています。
しかも雨や風からも巣の内部を守ってくれますので悪天候の状況下でも巣が壊れにくいのです。

たくさんの巣穴があるように見えるのですが出入りができる巣穴はひとつしかありません。しかも巣穴の大きさはその日によって変えられるようになっていて活動が活発な日は大きく、敵からの侵入を防ぐため夜は小さくなります。
そしてその巣穴からは常に見張り役の蜂がいて外の様子をうかがっているのです。この見張りがいるおかげで巣が攻撃を受ける、敵が近づいてきたら迅速に対応できるようになっています。

人間がハチの巣を攻撃しようとしてもすぐにわかってしまいますので、とても危険なのです。

スズメバチの巣の様子

スズメバチの巣には家で言う柱の役割である巣盤と呼ばれるものがあります。巣を作り始めた頃はまだ巣盤も1層くらいしかなかったのですがどんどん巣が大きくなるにつれて2層、3層となっていきます。
巣盤には育房と呼ばれる成虫が育つそれぞれの部屋のようなものがいくつもあり、この中で幼虫が羽化して成虫に育つのです。

巣の完成後に巣が狭くなってきてしまったときは働きバチがさらに巣を拡大させるために巣を作るかもしくは巣を作るスペースがないときは巣を引っ越しすることもあります。
夏頃までは女王蜂はどんどん幼虫を生んで膨大にハチの数も増えてきますが、秋になると今度は成虫した女王蜂やオスバチが巣を離れるようになります。そして冬にはハチの巣にほとんどハチが見られなくなります。

その他のスズメバチの巣についてはこちら → スズメバチの巣作り